ボトックス注射を用いた食いしばりの治療
寝ている間に歯を食いしばってしまって、歯が痛い・顎が痛い・肩こりや頭痛がある、といった方は非常に多いです。食いしばりの治療ではナイトガードと呼ばれる顎関節治療用のマウスピースを使用することが多いですが、マウスピースの装着が合わない方や、食いしばりによる症状が強い方におすすめの方法です。
ボトックス注射で食いしばりを抑える仕組み
ほとんどの場合、歯の食いしばりのある方は咬筋と呼ばれる筋肉が大きく発達しています。お口を開け閉めしながら頬を触ると動いている筋肉が咬筋です。咬筋の発達を弱めることで、食いしばりの症状を軽くすることができます。また副次的に、エラの張りが抑えられるようなことも期待できるかもしれません。
ボトックスの効果と安全性
ボトックス注射では、ボツリヌス菌から抽出されるボツリヌストキシンと呼ばれる複合毒素を無毒化したものを注射することで、筋肉の働きを弱めます。
菌や毒素と聞くと心配かもしれませんが、眼瞼けいれんなどの治療に対して厚生労働省からの承認も受けており、安全が確認されている治療法です。
ボトックスは筋肉を緩める作用が期待できるため、歯ぎしりや食いしばりの治療に留まらず、さまざまな分野での治療に用いられています。
ボトックス注射の
よくあるご質問
Q.効果はすぐに現れますか?
A.ボトックス注射の効果は当日すぐには現れません。ほとんどの方が、注射の2日〜3日後からボトックスによる変化を感じられます。当院では注射の1週間後に再度ご来院いただき経過の観察を行いますが、その際には咬筋が緩んでいることが確認できます。
Q.効果はどれくらい続きますか?
A.効果の持続期間には個人差がありますが、短い方で3ヶ月ほど、長い方で6ヶ月ほどは効果が続きます。患者様ご自身が、効果が薄れてきたなと感じたり、顎の疲労感、歯ぎしりをしてしまう場合などは効果が薄れてきているので、再度ボトックスの接種を行うことをおすすめしています。
Q.注射の痛みはありますか?
A.当院ではボトックス注射の際に、極力細い注射針を使用しています。痛みの感じ方には個人差がありますが、麻酔の注射よりも痛みが少なかったという患者様もおられるくらいなので、あまり心配はされなくても大丈夫かと思います。
また注射の際には患部を冷やし、感覚を鈍らせることで、より痛みを感じにくくしております。
当院のボトックス治療
の流れ
治療のご説明と同意書のご記入
ボトックス注射の効果や仕組みについて、当ページをご覧いただいた患者様にも、改めてご説明させていただきます。その後に治療の同意書をご記入いただきます。
処置と注射
注射をする前に患部を冷却し、感覚を鈍らせることで痛みを感じにくくします。患部をマーキングし、頬の側から数箇所に注射を行います。実際に注射を行う時間は1分ほどなので、痛みが怖い方もそこまで不安がる必要はありません注射が終わると再度患部を冷却します。
術後の注意点のご説明
術後の注意点のご説明を行い、その後はすぐにお帰りいただけます。
術後1週間頃に経過を観察します
術後1週間ほどで、経過観察のための来院をお願いしております。咬筋の緩みをチェックし、ボトックスの効き目が悪い方は追加で注射を行う場合がございます。
以後3ヶ月〜6ヶ月ごとの定期接種
ボトックスの効果は個人差がありますが、3ヶ月〜6ヶ月程度で弱まってきます。効果が弱くなってきたことを実感されたら、ご来院いただきボトックスを再度接種することで、もう一度効果を得られます。
施術費用
1回
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33,000円(税込) |
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3回セット
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88,000円(税込) |
ボトックス注射の
注意事項
- 施術当日はお化粧を控えていただくようお願いします。
- 施術当日は飲酒や激しい運動を控えていただくようお願いします。
- 注射後3時間程度、患部をなるべく動かさないようにしてください。
- 妊娠中・授乳中の方は、ボトックス注射を行えません。
- ボトックス注射後3ヶ月は、男性も女性も避妊を徹底してください。